2021年1月1日金曜日

2020年の読書メーター

2020年の読書メーター
読んだ本の数:85
読んだページ数:22396
ナイス数:1370

新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実 (日経プレミアシリーズ)新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実 (日経プレミアシリーズ)感想
「大事なのは知識ではない、考え方。サイエンスを扱うならば、因果関係のショートカットはいけません。前後関係や相関関係と因果関係を混同してはいけません。(本文より)」PCR検査問題に象徴されていると思うが、医学・科学に対する過信、誤解、思い込みが問題を大きくさせてしまっているという感じは常にある。基本手探りだが、従来から言われている呼吸器感染症に対する予防法(十分な睡眠と栄養、手指衛生の徹底、三密を避ける、マスク、十分な換気)を徹底する、基本に戻ることが大切なのかな。ウイルスに関しての知識は読み応えがあった。
読了日:12月31日 著者:峰 宗太郎,山中 浩之
スマホ料金はなぜ高いのか (新潮新書)スマホ料金はなぜ高いのか (新潮新書)感想
2ヶ月前に間違えて買った本だけど、タイミングはよかったかな。NTTとドコモのグループ再編(要はドコモを吸収合併)問題の背景がよく分かるし、テレビ・新聞が絶対に取り上げない電波オークション、帯域の割当問題は本当に待ったなし、というときに来ているのだと思う。まだまだ揉めそうだけど、電波帯域を利権とする官・民の支配構造をもっとオープンにして議論していかないと行けない問題なんだと思った。
読了日:12月26日 著者:山田 明
不安を煽りたい人たち (WAC BUNKO 330)不安を煽りたい人たち (WAC BUNKO 330)感想
憲法改正(特に九条)論議自体が、揉めているうちに、明らかに、特にここ10数年の世界の動きに取り残されてしまった感がある。本書後半で取り上げられる憲法についての対談はようやく、「東大憲法学」という閉ざされた世界でのゆがんだ国家観から世界、民主主義、文明という観点で国家のあり方を規定する憲法とは何か、という観点で論じられているので、論理的にも納得できるし、今必要とされる憲法改正論議なのではないかと思いました。
読了日:12月23日 著者:上念 司,篠田 英朗
テレビが伝えない国際ニュースの真相 バイオ・サイバー戦争と米英の逆襲 (SB新書)テレビが伝えない国際ニュースの真相 バイオ・サイバー戦争と米英の逆襲 (SB新書)感想
今年の目まぐるしいトピックのうち、地政学的観点からみる中国、アメリカ、EU、中東情勢を一気に俯瞰できる内容で、ニュースの背景を知ることができ、大変参考になった。 この一年は本当に地上波のテレビで仕入れる情報の価値が暴落したという気がしている。ネットにあふれているというフェイクニュースの影響は確実に(信頼のあるはずの)地上波ニュースは受けているという感じがする。
読了日:12月22日 著者:茂木誠
ベートーヴェンと日本人 (新潮新書)ベートーヴェンと日本人 (新潮新書)感想
やはり、日本のクラシック受容におけるベートーヴェンは別格のものなのだと実感する。コロナ禍の今年でさえ、1万人の第九はなされるのだし、N饗もあるようだし、自分も毎年12月にはどの指揮者とオケの第九を聞こうかと考えているし、これは死ぬまで、いやあの世に行ってからも止まることのない習慣だとさえ思っている。今年は誰にしようか決めているのだけれど、ここでは証さない。
読了日:12月16日 著者:浦久 俊彦
暗殺の幕末維新史-桜田門外の変から大久保利通暗殺まで (中公新書)暗殺の幕末維新史-桜田門外の変から大久保利通暗殺まで (中公新書)感想
維新の志士たち、明治政府の立役者たちは相当数暗殺されていることは知ってはいたけれど、その志士自身が暗殺者であることはあまり明確に自覚していなかったが、この本でそれが明確に意識できた。伊藤博文公しかり、井上毅しかり・・。時代の変革期といってしまえばそれまでだけれど、こうしてみればテロリストに見えてしまうのは、維新後150年以上たって、今も時代の変革期に当たるからなのか。どうも紙幣になったり、教科書で教えられる維新の元勲という表現なども、どうかな、って思ってしまった。
読了日:12月14日 著者:一坂 太郎
人新世の「資本論」 (集英社新書)人新世の「資本論」 (集英社新書)感想
新型コロナパンデミック、混沌としている米国大統領選、今年は12月になってもさっぱり先が見えない中で、「脱成長コミュニズム」を持ち出されても、最初は???っていう感覚でした。読み進むにつれ、コミュニズムもアソシエーショニズムも「知っている〜古い」観念だと思っていたけれど、資本主義の致命的な限界(欠陥)から次の世界へのパラダイム転換が根本的なところから始まっている今年は、本質的なコミュニズム(MEGAの研究で示された、マルクスが追求していた資本主義の行く末)の時代が始まっているのかもしれない、と思った。
読了日:12月07日 著者:斎藤 幸平
ベートーヴェン 音楽の革命はいかに成し遂げられたか (文春新書 1290)ベートーヴェン 音楽の革命はいかに成し遂げられたか (文春新書 1290)感想
生誕250年なんだけど、ベートーヴェンに関して(自分としては)関心が薄かったのは、コロナ騒ぎに始まる特にコンサートがこの春から低迷したこと、自分もコンサートに行くわけではないのだけれど、Youtubeでほとんど音楽への欲求が満たされた、ということかもしれない。しかし、いつでも聴ける、というのはそれゆえに貴重な音楽との一瞬の出会いというものを遠ざけてしまっているかもしれない。楽聖の生き様を知ることで、紡ぎ出された偉大な音楽ともう一度出会う必要があると感じた。
読了日:12月02日 著者:中野 雄
音楽の危機-《第九》が歌えなくなった日 (中公新書)音楽の危機-《第九》が歌えなくなった日 (中公新書)感想
空間を共有することに成り立つコンサート。無観客での催しは、ネット配信と言う形でリアルではあるけど、電子的信号の変換によって遠隔の地で再現されとどけられた「情報」となり、皮膚感覚で共有された空間〜隣の人と一緒に(他人であり、会話をしなかったとしても)音楽を共有する体験は、人間として「生きている」実感を伴うものであると思う。若い時にNHK交響楽団の定期会員だった期間の体験は、やはり今Youtubeでいくらでも聞けるオーケストラとは全く質の違う体験だと思う。今年の第9シーズンはまた違った風景が見られるのかな。
読了日:11月27日 著者:岡田 暁生
民主主義とは何か (講談社現代新書)民主主義とは何か (講談社現代新書)感想
古代ギリシア時代から、コロナ禍における「今」にいたるまでの「民主主義」について見渡すことができるタイムリーな内容。「参加と責任のシステム」という観点から見つめる民主主義が肯定的に捉えられるようになったのは、19世紀からだ、という。米国の大統領選における混乱は、肯定的にせよ否定的にせよ、「民主主義」の大きな変革をもたらすのだろう。最終的にはその時代を生きる人間の人生観、思想が共生、共栄をもたらすものになることが必要だとおもう。
読了日:11月23日 著者:宇野 重規
一九四四年の東條英機 (祥伝社新書)一九四四年の東條英機 (祥伝社新書)感想
1944年に終焉を迎えた東條内閣。内閣成立の状況から開戦〜そして終戦へと時間を辿りながら最終的に一人で首相、陸軍大臣、参謀総長を兼任したことは、東條個人の特性も大きいけれど、帯にあるように、明治以後、日清、日露と勝利してきた結果が、組織の欠点を覆い隠して、それが最終的に東條内閣で露わになったということだろうか。すくなくとも最終的に全責任を負う覚悟を持っていたということは、戦後悪しざまに言われる独裁者のイメージとは違うものを感じる。
読了日:11月20日 著者:岩井 秀一郎
東條英機 「独裁者」を演じた男 (文春新書)東條英機 「独裁者」を演じた男 (文春新書)感想
「独裁者」という言葉とは程遠い姿。侵略の意図はなく、自衛のためとか、大東亜の理想のためとか、開戦の理由をそこに持って行かざるを得ないのは、結果的に敗戦を招いたから。自衛であれ、理想であれ、勝利なくしては正当化されない。当時の日本が置かれた環境は「自衛のため」といって朝鮮半島→中国へ向かわざるを得ない状態だったことも理解はできるけど、陸軍と海軍が競いあい、資源を奪いあっている中では陸海一体を叫びながらも矛盾を抱えて自滅してしまった宰相の姿が見えてくる。
読了日:11月17日 著者:一ノ瀬 俊也
誰も教えてくれなかった 金持ちになるための濃ゆい理論誰も教えてくれなかった 金持ちになるための濃ゆい理論感想
これは現代のセルフ・ヘルプ〜西国立志編だと思う。Youtubeで著者のチャンネルを楽しく聞いて勉強にもなる。理論やグラフももちろんあるけど、なんというか、著者の実体の裏付けのある文章であり、あえてポジティブ・シンキングならぬネガティブ・シンキングで低空飛行でも生き残る、というところでは、理論ではなく、実益に生きている「人」としての実体が伝わって来る。やりたいことが明確になっている強さを実感しました。「自分らしい」生き方を求めて行くことの大切さ(著者の云う「自分教」)を教えてもらったように思いました。
読了日:11月11日 著者:上念 司
女のキリスト教史 (ちくま新書)女のキリスト教史 (ちくま新書)感想
西洋文明の根底にあるキリスト教であり、その根本は聖書に依る。人間の出発がアダムとエバの記述を根拠に男女の差は、常に歴史の中では善悪の戦いと交差して現れてきた。イエスは確かに「敵を愛する」思想の実体として救いをもたらしたが、生命を生み出す「母性」はマリヤの存在抜きにはあり得なかった。本書にあげられるジャンヌ・ダルクをはじめ女性たちのつづるキリスト教史は、現代社会の問題を抱える中で大きなヒントがあると思う。もうすこし中世史には詳しくなりたいと思う。
読了日:11月03日 著者:竹下 節子
税金下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋 (光文社新書)税金下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋 (光文社新書)感想
読みやすい!と思ったら、著者の話の書き起こしがもとになっているという。Youtubeでも著者の主張は楽しくきいていたので、道理でと納得。しかし、税金を下げろ、というと普通の感覚だとなにかしら後ろめたさ(公よりも私を優先するという)を普通の日本人なら感じてしまう、その事自体が実は戦後(?)ずっと良き日本人であることを強制されてきた錯覚なのだ、と気付かさせてくれるし、規制をなくすことに関しても実は同じことなのだということなのだ。あとは実践、自分も「税金を下げろ連合」に参加ですね。これは。
読了日:10月31日 著者:渡瀬裕哉
東大出てもバカはバカ東大出てもバカはバカ感想
最初は東大卒の問題ある人物の批判ばかりだと思い、痛快であると同時にその裏にエリートへのかすかなルサンチマンを自分の中に感じるところもあった。後半では、人間としての目的を「東大」として、そこをピークにその後の人生をすり減らしてしまうエリートは本当に人生の「勝者」なのか、という疑問を持つ。今の教育問題は単なる教育制度改革、というより著者のような生き方をもつ人生の達人たちが日本自体の行く方向を定めてこそ、本当に解決していくものだと感じた。
読了日:10月28日 著者:豊田 有恒
政治家の覚悟 (文春新書)政治家の覚悟 (文春新書)感想
政治家が書いた本って、これまで読みたいと思う魅力をかんじなかったけれど、今回はさすがに文春の戦略に乗ってしまった観がある。マスコミは今回記載から落ちている章が公文書に関する記述をわざと落とした、と批判しているようだけれど、読んでみて、逆にこれはマスコミ、特に電波利権の上に座ってきた地上波テレビなどの既得権益層にとっては読ませたくない内容だと気がついた。多くの人が読んで行くことを望む。
読了日:10月27日 著者:菅 義偉
白人ナショナリズム-アメリカを揺るがす「文化的反動」 (中公新書 2591)白人ナショナリズム-アメリカを揺るがす「文化的反動」 (中公新書 2591)感想
BLM、ANTIFAなど、コロナパンデミック下での米国大統領選にむかって突然現れて、話題にのぼるこれらの組織は、日本人の感覚では安っぽい反政府組織、反民主主義の集団にみえるけど、その根深さは、単一民族国家である日本人にはどうしてもわからないものがあると思う。人種の違いすら対立構造に持ち込む歴史、価値観(西洋的価値観といっていいかどうか?)は際限ない分断と闘争を繰り返していくように見えてしまう。これをどう見つめ、対処するのか、日本人のアイデンティティをしっかり持つことが大事なのかな。
読了日:10月24日 著者:渡辺 靖
親鸞と聖徳太子 (角川新書)親鸞と聖徳太子 (角川新書)感想
タイトルに惹かれて衝動買い。親鸞の信仰の原点に聖徳太子と聞いて、川崎大師にも何故か太子堂があったことを思い出し、日本の仏教の原点には聖徳太子がおられることを、本書を読んで納得。法隆寺金堂の壁画の分析と聖徳太子との関わりが論じられ、法華経を重んじた聖徳太子の姿が明確になる。その名前が歴史の教科書から抹殺されてしまいそうな現代だけど、以下に神格化されようと、日本の仏教、歴史を見つめるときにはなくてはならない存在であることは確か。浄土真宗の家に生まれた自分としてはより歴史、ルーツの理解が深まったように思う。
読了日:10月20日 著者:島田 裕巳
きちんと生きてる人がやっぱり強い: 胸を張って愚直に歩いてゆく (KAWADE夢新書)きちんと生きてる人がやっぱり強い: 胸を張って愚直に歩いてゆく (KAWADE夢新書)感想
3分の2まで読んでから3か月くらい間があいてた。出張帰りの電車で残りを読了。著者の観察による企業人、社会人としての生き方を考えさせてくれる。各章ごとに「イマイチの人」と「きちんと生きてる人」の対比でまとめてあるのは著者の誠実さの表れで好感が持てる。個人的には最後の章の「きちんと育てられた人は、人とうまくやれる」が今の自分にはすっと入り込める内容だったかな。
読了日:10月17日 著者:内海実
沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)感想
目に見える社会的課題は、その社会の歴史および文化的特性からその根本原因、解決策を探るのは、考えてみれば当たり前のことだと思うが、その歴史、文化が否定・歪曲されていれば解決策も当然間違える。読みながら、沖縄は日本の縮図であることを実感した。歴史や文化を批判的に見つめることは学者にまかせておき(これがしばしば学者がおかしくなる原因だ)その地に住む人の本音、心を愛情を持って見つめて歴史、文化を捉え行動することが、本当に役に立つことなのだ、と思った。
読了日:10月16日 著者:樋口 耕太郎
保守とネトウヨの近現代史 (扶桑社新書)保守とネトウヨの近現代史 (扶桑社新書)感想
巻末の人名索引で、これだけの人たちがとり上げられていることがすごい。渡部昇一氏の文章を読みたくて「諸君」を読んでいた20歳、それが、自分の保守系の言論・雑誌との出会いかもしれない。90年台以後はソ連崩壊による保守、リベラル、左翼、それぞれの言論世界が混乱しているように見えたけど、もともとそういう要素は戦後からはじまっているのだとわかった。2000年以後のネットはますますその混乱が加速している。正義と正義のぶつかり合いは著者の言うように、より高い視点からの議論でなければ解決にならないと思う。
読了日:10月10日 著者:倉山 満
2020年大統領選挙後の世界と日本 “トランプ or バイデン" アメリカの選択2020年大統領選挙後の世界と日本 “トランプ or バイデン" アメリカの選択感想
著者ならではの論考で、時宜にかなったテーマではあるが、米国大統領個人のキャラクターが前面には出るけれど、当然ながらその基盤となる共和党と対立する民主党の分析があり、その上での大統領選および議会選挙の結果のパターンにより米国の進む方向、そしてそれに対応していく日本の制作を見つめていけるシンクタンク(研究センター)の提案、そして国際社会に通用する近代型政党の実現という日本のこれからの方向性についての提言がとても納得のいく結論だ。国の方向性を真剣に考える議論が始まるといいと思う。
読了日:10月05日 著者:渡瀬 裕哉
日本共産党 噂の真相日本共産党 噂の真相感想
Youtubeで大変貴重な情報を発信されている篠原常一郎氏の共産党批判本。かつて所属し、除名された立場としては当然ですが、これは、真の意味での批判であり、非難にはなっていなない、どこかで本人が共産党への愛と言われていたことがわかる気がします。日本共産党を内部から体験した人のみが言える内容になっていると思います。いずれにせよ、日本を良くしたい、生活を守りたい、命を救いたい、動機は同じでありながら、党のあり方が腐敗、堕落してしまうという人間の矛盾性がよくわかる内容でした。
読了日:10月01日 著者:篠原 常一郎
ミトロヒン文書 KGB(ソ連)・工作の近現代史ミトロヒン文書 KGB(ソ連)・工作の近現代史感想
江崎道朗氏による情報史学〜インテリジェンス・ヒストリーの日本への啓蒙の功績は大きいし、ますますこれからも広がっていく(いかねばならない)だろう。まだまだ解明途上ではあるけれど、日本への浸透工作については「スパイ天国」と言われてはいたけれど、その実態は驚くべきもの。日本の警察、公安当局の人たちはどれほど歯がゆい思いをしてきただろうか。唯物的無神論に立脚した思想は最終的に不信と闘争で終わるしかない。共産主義であれ、自由民主主義であれ、優劣を争うばかりで終わってしまう思想を考え直す材料にしたい。
読了日:09月26日 著者:山内 智恵子
カゼは万病のもと (幻冬舎ルネッサンス新書)カゼは万病のもと (幻冬舎ルネッサンス新書)感想
タイトルを見て即買い。コロナウイルスに対して医学的にどのように理解し、対処するのか。そもそも風邪の根本原因はどこにあるのか。ウイルスが大きな要素とはいえ、生命を奪うまでの結果をもたらすのは人間の側(ウイルス増殖の過程で肉体がどのような反応をするか、免疫など)の問題であり、その根本原因を考えるのに、本書はとても示唆に富む内容だった。ウイルス感染に対処する行動や生活は必要だが、本書のようにあらゆる死因の根本原因を考えて生活することは一人ひとりの自覚と行動が大切な要素であると思う。
読了日:09月22日 著者:横田 貴史
私の手はなぜ痛いのか、しびれるのか、曲がっているのか私の手はなぜ痛いのか、しびれるのか、曲がっているのか感想
五十肩の親族の痛みをなんとかしたい、理解したいところから、なにかのヒントになればと、読書メーターのお気に入りさんの記事で見つけ、早速購入。加齢、女性に多く見られるからといって更年期という表現で表される痛み、しびれ、手指の曲がりといった症状は実はホルモンの減少とその急激な減少によるホルモン受容のシステムが個人別に異なることによるものの結果であることが示されていて、手指の外科的措置だけでなく、その痛みの原因の解消までが網羅されていて、とてもよくわかりました。痛みに悩む前に理解しておくべき内容だと思う。
読了日:09月22日 著者:平瀬 雄一
インテリジェンスと保守自由主義  新型コロナに見る日本の動向インテリジェンスと保守自由主義 新型コロナに見る日本の動向感想
国家の成立、存続のためにインテリジェンスは絶対に欠かせないものなのに、東京裁判史観、WGIPによってインテリジェンスの考え方自体も軍事的なもの、国家権力が暴走してしまう方向へ結びついてしまったことによって、日本は他国に比してあまりにも貧弱な体制で戦後を過ごしてしまった。 その視点を様々な事例によって明確にしてくれる内容でした。自分としては前半のポーランド、バルト三国に見るインテリジェンスの実態を知ることができたのはとても勉強になったところです。
読了日:09月19日 著者:江崎道朗
若者に伝えたい 英雄たちの世界史若者に伝えたい 英雄たちの世界史感想
たしか、イギリスの学校での歴史の学びはこの本のように、その時の当事者が自分だったらどのように対処するか、というテーマで考えさせるようにしている、といったことを聞いたことがあるけれど、まさにこれこそが歴史から今の自分たちが何を学びとるか、といったアクティブな歴史の学びだと思うし、その観点で描かれる英雄たちの世界史はとても魅力的。こんな歴史の学びができたらいいと思うけど、今の文科省ではとても無理。本当の教育改革はこういうところからはじまるのだと思うけれど。
読了日:09月16日 著者:倉山 満
韓国社会の現在-超少子化、貧困・孤立化、デジタル化 (中公新書 (2602))韓国社会の現在-超少子化、貧困・孤立化、デジタル化 (中公新書 (2602))感想
昨年末に読んだ「韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩」は韓国人が描いた韓国社会の実態だが、こちらは日本人が描く最新の韓国社会の実態。日本も同じ課題を抱えながら、韓国のそれはより過激にあらわれているように思える。分断国家という特徴や、常に中国との関係を考えざるを得ない民族性というものが、そこに加わって独特な形を取る。反日もそれは国家統合のためのエネルギーとなっているところは理解できるが、逆に分裂を招いている現実は直視しないといけない。
読了日:09月12日 著者:春木 育美
国家の怠慢(新潮新書)国家の怠慢(新潮新書)感想
ネットでの対談本で、普段高橋教授のネットでの論説はかなり聞いてきたので、読みやすく、かつ多くの人に伝わることを期待する。財務省をはじめとしたエリートたちは面白くない感情を持つとは思うが、そういう思いになる分、外から見た日本、国益という観点の意識になって取り組んだら、エリートだけに転換は早いんだろうなと思う。耳の痛い論説を無視するとか、攻撃するのではなく、どれだけ謙虚に受け容れるか、ということかな。
読了日:09月03日 著者:高橋洋一,原英史
日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?~結婚・出産が回避される本当の原因~ (光文社新書)日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?~結婚・出産が回避される本当の原因~ (光文社新書)感想
赤川学の「これが答えだ!少子化問題」では「少子化」が国民意識として問題視されなくなることがこの少子化問題の解決になる、というなんだか禅問答のような論旨だった(私見です)が、こちらは少子化対策としてなされてきた取り組みは、結婚・出産・育児といったプロセスを今の若者はリスクとしてとらえ、リスク回避行動の必然の結果が日本の少子化の根本原因だと言う結論か。結婚と出産、子育てが切り離せない日本(東洋的)価値観の中で少子化に取り組むことは、結婚感や日本人としての意識などの見直し、再評価的価値付けが必要だと思う。
読了日:09月01日 著者:山田 昌弘
真珠湾と原爆 日米戦争を望んだのは誰か ルーズベルトとスチムソン真珠湾と原爆 日米戦争を望んだのは誰か ルーズベルトとスチムソン感想
8月15日終戦記念日にかかわる読書の流れで行き着いた今年の本、と言えるかな。スチムソンに関してはあまり知らなかったので、FDRだけではない、対米開戦、そして原爆にかかかわる重要な人物の事を知ることができた。日米戦争に突き進み、原爆投下が京都をさけたのも、この一人の人物の背景、思想に重要な要素がある。それを知ることも戦後の日本、そしてこれからの日本を考える時にも重要なファクターになる。
読了日:08月29日 著者:渡辺惣樹
放送の自由: その公共性を問う (岩波新書)放送の自由: その公共性を問う (岩波新書)感想
放送法4条に関する議論、そして電波オークションに関する議論が、政府(政治家?)主導であるのが放送局側にとっては、表現、報道の自由というものとのぶつかり会いで議論されることは放送の受益者にとっていいことだとおもうのだが、その議論すら報道しない、あるいは一方的な議論打ち切り、歴史的な経緯からもたらされた利権、というものが複合して問題を複雑にしているように見える。電波という公共財というものの利権化が、いまは一番大きな問題に見える。その歴史性がよくまとめられていると思う。
読了日:08月26日 著者:川端 和治
日本人はなぜ自虐的になったのか:占領とWGIP (新潮新書)日本人はなぜ自虐的になったのか:占領とWGIP (新潮新書)感想
日本は無条件降伏した、と今年もNHKは放送している。ポツダム宣言の受諾とは、国体護持を条件とする、しかし、それすら占領後は歪められ、いまだこのような放送を続けることは、さすがにどうなのか。しかし、あながちそのことを受け入れてしまっている私たち。それは「仕方ない」という感情なのか、「戦争に負けたのだから、何も言えない」という罪悪感なのか。WGIPは、東京裁判による一方的な断罪、連合国の罪を隠すために考案された巧妙なプロパガンダ、そのように理解することが必要なんだとおもいました。教育の立て直しが急務かと。
読了日:08月17日 著者:有馬 哲夫
運命の八月十五日 日本のいちばん長い日 〈決定版〉運命の八月十五日 日本のいちばん長い日 〈決定版〉感想
読メ投稿も再読5回目。岡本喜八監督1967年の同名映画を読書と同期して鑑賞。こちらの方が、2015年の新作より原作に忠実で、より深い理解に役立つ作りであり、また当時のそれぞれの人物に感情移入しやすいものであったように思う。鈴木首相、阿南陸相、そして姿だけだが天皇陛下。その心情は映像で表現されていくだけだが、より深く伝わり、涙する。蹶起した将校や軍人の表現は岡本版がわかりやすい。公開当時は軍人を英雄視されることに批判があったようだが、公開後50年を経てそれもより冷静に見れるようになったということか。
読了日:08月15日 著者:半藤 一利
森林飽和 国土の変貌を考える (NHKブックス)森林飽和 国土の変貌を考える (NHKブックス)感想
「国土強靭化」という用語はいつごろから言われ出したのか?東北大震災後に書かれた本ではあるが、縄文時代から日本の国土の森林。そして人間が住む里山に関する考察は、単純な人間が手をつけない「自然のまま」が「森林保護」につながる、という価値観では日本国土全体の維持は難しく、人間もまた自然が生み出したシステムの一部であり、そして主人であるという責任を持って考えることが大切であり、日本国土を本当に維持していくということにつながるとおもいました。江戸時代ははげ山だらけ、CO2問題なども一歩踏みこむ議論が必要だと思った。
読了日:08月13日 著者:太田 猛彦
いまこそ「小松左京」を読み直す (NHK出版新書)いまこそ「小松左京」を読み直す (NHK出版新書)感想
日本沈没、復活の日、首都消失〜考えてみれば映画化したものばかりだけれど〜それくらいしか読んだことがない。でも日本沈没は中学の頃の自分の愛読書であり、なつかしさで本書を衝動買い。しかしその三作だけでも、ミクロからマクロまで、人間の実存、世界の実存と言うものをテーマにしたスケールの大きな、科学・哲学・宗教の枠をこえたものを感じさせる作家だと思う。本書を読んで、虚無回廊や、小松の全集を読みたくなった。
読了日:08月05日 著者:宮崎 哲弥
経済で読み解く日本史6 平成時代経済で読み解く日本史6 平成時代感想
著者より少し年上の自分。80年台はコンピュータメーカーに就職して、「電子計算機」というものにのめり込んで世間から浮いてたな、と思う。90年台バブル崩壊後の住専問題や銀行破綻などのニュースでようやく日本と世界の経済問題に関心を持つようになって、少しは世の中の仕組み、資本主義、自由主義経済、共産主義、マルクス経済学などを理解するようになってきたのはここ20年くらいかな。今になって何が明らかになり、何が隠されてきたのか、この本で確認しながら令和時代に自分と、次世代のために何ができるかを考えて行きたいと思う。
読了日:07月29日 著者:上念 司
疫病2020疫病2020感想
先の大戦で何のために戦ったのか~「国体護持」~すくなくとも意識としては、日本国としての存立がテーマだった。戦後になって「国体」は、保守主義のイデオロギーとして、左翼、グローバリストとの対立概念になってしまっているけれど、今回の新型コロナウイルスのパンデミックは、日本人にとってもう一度「国体」というテーマを突きつけている。あるいは蓋をした問題がふきあがってきているのだた思う。政府の対応を批判し、かつ分裂することなく、日本「国」として一つになって取り組む国家的課題であり、「国防」の概念で今を対処するべきだ。
読了日:07月23日 著者:門田隆将
教科書抹殺 文科省は「つくる会」をこうして狙い撃ちした教科書抹殺 文科省は「つくる会」をこうして狙い撃ちした感想
「侵略」を「進出」と文科省検定が教科書を書き換えたとする日本のマスコミの誤報をもとにした教科書問題がもちあがったのが、ちょうど高校卒業した頃だった。渡部昇一先生の「萬犬虚に吠える」を読んで、そのときはマスコミの酷さに憤ったものだったが、今は文科省検定そのものがあまりにも偏向、というより特定の教科書を採用させないためにこんなにも姑息な、あからさまなことが起こっていることに驚く。これはもう子供たちの歴史観を破壊し日本の未来を危うくする虐待、暴力につながる事件だとすら思う。強い関心を持って経緯を追って行きたい。
読了日:07月19日 著者:藤岡信勝、新しい歴史の教科書をつくる会
みんな大好き陰謀論みんな大好き陰謀論感想
ユダヤ教は学問的には民族宗教という範疇に入ると思っているが、そもそも「民族」「国家」という概念が近代のものであり、ユダヤ教、キリスト教、仏教、イスラム教という分類ですら、近代の学問上の分類であって、当事者たちは同じ神仏を共通の祖とする共同社会を目指しているだけなのであろう。それを近代的価値で分類、分断し、対立構造と見つめる事自体が私達の知性に潜む弱点で、陰謀論につながってしまうのだと思った。幸い、日本文化は比較的狭い島国であったゆえに、すべてを融和的に受け入れる特徴が、よくも悪くもあるのだろうと思う。
読了日:07月18日 著者:内藤 陽介
とてつもない数学とてつもない数学感想
岡潔の不定域イデアル、フェルマーの定理、IUT理論〜これら数学の業績について。いずれの業績も数学の世界の奥深さ、シンプルさに潜む美しさ、魅力をおしえてくれた。本書でもシンプルなはずの数学の記述は、実はそこにこの世界を理解していこうとする人間の本性の喜びをもたらしてくれるものであることを教えてくれる。やはり、知るということはどこまで行っても終わりはない、そこに希望を見出し、魅力を感じて生きていくことは、人間の本質、本性にとってとても大切なことではなかろうか。
読了日:07月11日 著者:永野 裕之
キリシタン教会と本能寺の変 (角川新書)キリシタン教会と本能寺の変 (角川新書)感想
本能寺の変の真相、結論は出てないけど、フロイスの残した信長についての文書の原文からその実態を解き明かしていく。特に光秀とガラシャにかかわる共通の存在、オルガンティーノが鍵になる、ということか。光秀の謀反の真相はこの本からいうと明智憲三郎の説に近くなるのかも。上念司の経済で読み解く日本史、室町・戦国時代編も読んでみて、信長、光秀は戦国武将であり、且つ既存の寺社勢力権益を否定し、貿易による富で日本を収めようとした経済人でもある、という観点も、従来の歴史学では異端的だろうけど、キリシタン記録と共に重要な観点か。
読了日:07月10日 著者:浅見 雅一
教師崩壊 先生の数が足りない、質も危ない (PHP新書)教師崩壊 先生の数が足りない、質も危ない (PHP新書)感想
2015年〜2016年、息子の中学のPTA会長になった。そのころ、ちょうど先生たちも新任の先生が切り替わり時で、部活のちょっとした問題でPTAが集まって、先生が謝罪する場面に出くわした。そのときはPTA側も先生には同情的な雰囲気ではあったけど、若い先生って大変だなぁ、とその時は思った程度だった。もちろん頑張っている先生は多い。それだけに現代の教育行政はどう変わる必要があるのか。マスコミや社会の批判はずれているものもあるかもしれないが、教育行政側の自浄作用はどうやってできるのだろう。
読了日:07月02日 著者:妹尾 昌俊
わたしの名曲・レコード探訪 (〔正〕) (音楽選書)わたしの名曲・レコード探訪 (〔正〕) (音楽選書)感想
高校生から聴き始めたクラシックの指南書といえば、諸井誠(NHKFMが懐かしい)と柴田南雄でした。音楽素養も対してない自分はこの本に書いてある半分も理解できてないとおもうけど、この本を読んで、交響曲のポケット版フルスコアを買い込んで、CDを聴きながら結構聴き込んでいた事を思い出した。今回も、「春の祭典」や「展覧会の絵」、「海」など、懐かしい名曲をYoutubeで聴きながら、読み返すという、音楽評論の読み方もいい時代になったもんだと思う。
読了日:06月28日 著者:柴田 南雄
マンボウ雑学記 (岩波新書 黄版 167)マンボウ雑学記 (岩波新書 黄版 167)感想
北杜夫にのめり込んだのはたしか高校生。この新書もたしか高校の図書館で借りて呼んだのかな。もちろんマンボウシリーズは文庫本である程度買って読んでもいる。途中のお化けに関して長々と引用されているのは少し食傷気味だったけど、1章の日本について、4章の躁鬱については、懐かしい思い出しながらの読書だった。40年前の読書だけど、結構自分の人生に少なからぬ影響を与えていると思う。また、マンボウシリーズながらでのユーモアある、途中で横道にそれていく、だけどそこに何か作りものでない、自然な緩やかさを感じるところがさすが。
読了日:06月28日 著者:北 杜夫
「NHKと新聞」は嘘ばかり (PHP新書)「NHKと新聞」は嘘ばかり (PHP新書)感想
著者の主張はほぼ毎週、今は文化人放送局、その他ネットの情報で見て(聞いて)いるので、理解するのには時間はかからない。確かに正論(というより、著者にいわせればなぜこれがわからないのか、理解できない、というレベルだけれど)である。今のマスコミが、既得権益層の枠を超えた「真実の追求」が出来ていないのは国全体とか、世界の中の日本といった観点が欠けていて、自分の頭で考えるといった自律的な精神の育つ前に速成されたエリートたちの問題も大きいと思う。もっと余裕を持った、深く物事を見つめる目を養いたい。自分への戒めに。
読了日:06月28日 著者:高橋 洋一
日本外務省はソ連の対米工作を知っていた日本外務省はソ連の対米工作を知っていた感想
「ヴェノナ」を読んで1940年代以後の米国共産党がどれほど米国に浸透していたかを、ようやく50年以上たって公開され、研究されるようになってきたことを知った。それを日本外務省(ほぼひとり若杉要というノンキャリアの働きではあるが)は1920年代以後のコミンテルンの浸透と米国共産党の詳細な分析をしており、そしてそれがようやく現代になって取り上げられるようになったこと、は大変意義のあることだし、共産主義がいまだ残す世界への影響力とその真の克服が求められているのだと感じる。国のあり方を見直す貴重な提言。
読了日:06月23日 著者:江崎 道朗
MMTが日本を救う (宝島社新書)MMTが日本を救う (宝島社新書)感想
ネットで推薦されていて、買ったあとで初めて森永卓郎氏の息子さんだとわかる。財政政策、金融政策について、いわゆる日本の中だけで議論される古典的経済学にとらわれない、統計などを使用してわかりやすく学ぶことができるし、その中でMMTをドグマに貶めることなく、今の日本経済にどのように当てはめて考えるか、一種のツールとして適用して、あとは読者が自ら考えて見ることが大切だ、と言っているように思える。経済の実務を踏まえての現実的な議論が面白かったし、考えさせる。
読了日:06月18日 著者:森永 康平
朝鮮半島をめぐる歴史歪曲の舞台裏 韓流時代劇と朝鮮史の真実 (扶桑社新書)朝鮮半島をめぐる歴史歪曲の舞台裏 韓流時代劇と朝鮮史の真実 (扶桑社新書)感想
韓流ドラマ、自分がまともに見たのは冬ソナと時代劇ではイ・サンとトンイ。反日種族主義という本まで出てくる現代になってようやく、冷静に朝鮮半島と日本との関係性をすこし突き放して客観的に見つめることができるようになってきたのかな、と思う。単に相手の非をあげつらうだけでは何も解決しない、自分のアイデンティティを確立してこそ、真の隣国としての見つめ方、あり方、接し方がみえてくるのかもしれない。今年は特に韓半島も、日本自身も大きく動いていく年なのかもしれない。
読了日:06月13日 著者:宮脇 淳子
二宮金次郎の一生二宮金次郎の一生感想
ある方のお勧めで読み始め、500頁の分量には少し決意がいったが、1日50頁のペースで読み始めたら、引き込まれるように加速度がつき、充実感を持って読み終えた。幕末の時代に、一家離散、自身の家の復興から始まり、単なる勤勉、勤労だけでなく、農村復興事業として600の村を復興させていくその思想と実践の姿は、現代の日本の為政者に必要なものであり、もっといえば、国民全体がわすれてしまった人間としての基本的な道を示してくれるものだと思う。勤勉に働き、蓄え、生きることの根本を教えてくれる姿に、自分もそうなりたいと願う。
読了日:06月07日 著者:三戸岡 道夫
コロナ大不況後、日本は必ず復活するコロナ大不況後、日本は必ず復活する感想
著者の主張するところは、文化人放送局やその他Youtubeでのニュース番組でおおよそ理解できているつもりなので、こうして活字になって改めて確認できてよかった。新聞・地上波マスコミは批判的であるのはいいけど、建設的ではなく、常に人間の恐怖心、不安感を煽ろうとするのは今の時代、そこに価値をみいだすのは難しくなってしまった。冷静な視点と分析、そしてそこから取りうる希望的な日本の未来を選択するのは、常に自分自身であることを自覚しないと行けないと思う。
読了日:06月04日 著者:髙橋 洋一
ほめると子どもはダメになる (新潮新書)ほめると子どもはダメになる (新潮新書)感想
著者の本は二冊目かな?最初は「ほめて育てる」風潮への単なるアンチ本だと思ってなんとなく読み始めたのだけれど、後半は子育てにみる歴史的、文化的な日本論になっていて、気がついてみれば、日本の教育というと、どうしても西欧の教育を理想的に描き、日本の戦前はもちろん、戦後の教育すらも否定的に採り上げる風潮が強い。日本の母性的思想(文化?)による親子関係のあり方から考える子育てとはなにか?グローバル主義に毒された教育論でなく、目の前の親と子の関係をしっかりと考えて行くことが必要かな。
読了日:05月31日 著者:榎本 博明
ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動感想
昨年10月25日に購入してるからちょうど7ヶ月かけて読了。随分間が空いた期間もあったけど、枕元に置いて寝る前に一節ずつ、と言った感じで読む。ソ連が消滅してようやく明らかにされたことは、S・ルーズヴェルト時代のアメリカはプロテスタンティズムを土台にした資本主義の自国に絶望し、科学的な唯物論を取り入れた共産主義が描く未来にこそ希望を見出した多くの人がいたのだという事実。大恐慌で現実に絶望した多くの人が共産主義に理想を見出したのだろう。いまコロナ後の世界が模索される事態で教訓とすべきなにかがある。
読了日:05月28日 著者:ジョン・アール・ヘインズ,ハーヴェイ・クレア
財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)感想
2015年初版なので、2014年の消費増税直後の時点までの記述となっている。タイトル通り、「最強」なのかどうなのか、その判断は書く側、読む側のスタンスからしてすでに差異が露わになるが、「安倍独裁」のイメージはこの本の書き方(財務省が政治家に付き合わされて、あるいは被害を受けてきた)からすれば少なからず分からぬでもない。最終的に人事というものが大きく組織のカラーを変え、特性を変える。その裏にある嫉妬、恨み、不平等感が組織を蝕むことになる。日本が今その頂点にあって変革の痛みを通過しているように見える。
読了日:05月24日 著者:清水 真人
(170)毒親 (ポプラ新書)(170)毒親 (ポプラ新書)感想
S・フォワード以来、「毒親」の概念が日本に紹介され、なんとなく私たちの心の(さらには体までも蝕む)病気の根底に、「ひどい(特に母親)親」の存在があるということを理解するようになった。それは核家族化する日本の社会の中で、フォワードで紹介される「毒親」はかなり強烈なものではあったが、着実に現実のものとして身近に感じられるものになった。1986年以来、すっかり定着したかというこの概念だけど、いまだこの言葉の強烈さに慣れない、しかし否定できない自分自身に潜む「毒親」をどうしたらいいのだろう。まだ答えはない。
読了日:05月05日 著者:中野 信子
次のテクノロジーで世界はどう変わるのか (講談社現代新書)次のテクノロジーで世界はどう変わるのか (講談社現代新書)感想
ここで描かれる最新テクノロジーに関してのトレンドは著者自身が生きてこられた実感があるだけに一定の説得力は持つ。ただし、いわゆる技術革新は、あらゆる方向性を持ったものが現れ、それが実用化されていく中で淘汰され、その時代に受け入れられるものが残っていく。根底には人間を幸せにし、国や世界が調和して発展していくという発想があるものこそ残る。そうでなければテクノロジーに「縛られる」世界に陥っていくし、決してそうなってはいけない。著者もその点は指摘しているけれど、次世代の世界を考える為には必須な知識だと思った。
読了日:04月30日 著者:山本 康正
感染症の世界史 (角川ソフィア文庫)感染症の世界史 (角川ソフィア文庫)感想
新型コロナウイルス感染拡大が続く中にて。言葉として知ってはいるウイルスとの共存。そのくらいウィルス・感染症の歴史は、今の人類にとって「生命」というものの成立に深くかかわっている。しかし、「現実」は、電子顕微鏡でウイルスの姿を「見る」ことができる現代になってさえ、100年前のスペイン風邪と同じ「たたかい」をしなければならない。はたして医学・科学は何のために発達してきたのか。今はそんなそもそも論を言ってる場合ではないのだが、そういう視点から自分自身と世界を見つめなおしてみることも必要だと思う。
読了日:04月27日 著者:石 弘之
「新型コロナ恐慌」後の世界「新型コロナ恐慌」後の世界感想
新型コロナの騒ぎで見えにくくなっているけれど、2018年からチャイナのデカップリングが米国から始まり、日本も表立っては見えない(というより、マスコミがとりあげない)けれど、米国の動きに相応してかなりのことがすすんでいたことがわかった。しかし、表向きは韓国と同じように簡単には切り離すことができない場所に日本はある。コロナ問題の真最中であるけれど、今年後半から2025年くらいまでのスパンで物事を見つめ、戦略をたて、政策を進めていく日本の政治家、リーダーが必要なのだろう。今、求められる人材と国民の見識。
読了日:04月17日 著者:渡邉哲也
宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃感想
IUT理論の名前からして、なんだかワクワクする。そして冒頭に出てくる望月博士自身が書かれたIUTの理論についての文章がさらにワクワク感をそそる。足し算と掛け算の関係を解体して、さらに「ゆるゆる」な状態で復元する、なんていう表現は、数学フェチ(失礼!)でなくてもそこに魅力を感じるのではなかろうか。ABC予想の解決だけでなく、この理論が大きな可能性を持っているというのは、なんとなくではあるが、感覚的にはわかる気がする。数学という最高度に抽象的でありながら、私達の世界の存在の根底にも関わるような奥深さに感動。
読了日:04月13日 著者:加藤 文元
トップの教養 ビジネスエリートが使いこなす「武器としての知力」トップの教養 ビジネスエリートが使いこなす「武器としての知力」感想
Youtubeで上念氏との対談で紹介されて、なんかわけわかんないけど、お二人の対談にとても触発されてすぐに購入した。タイトルや対談から想像した内容とはとても外れていて、いつもの倉山節のオンパレードで、一気に、安心して読めたし、歴史や、世界にたいする自分の見方が深まっていくのがよく分かった。対談で取り上げられていたところは、あとがきにようやく出てきて、文章とは裏腹な、著者の謙虚さ、誠実さが伝わってくるように思った。
読了日:04月04日 著者:倉山満
近衛文麿と日米開戦――内閣書記官長が残した『敗戦日本の内側』 (祥伝社新書)近衛文麿と日米開戦――内閣書記官長が残した『敗戦日本の内側』 (祥伝社新書)感想
第二次、第三次近衛内閣の書記官長の手記がメインとなった対米開戦に至るまでの実録。学校の歴史では、大政翼賛会という一党独裁体制が日本を戦争へと駆り立てた原因のように習った気がする。しかし、初代総裁の近衛文麿自身が、天皇の下での一党独裁は考えていなかった、近衛自身が「わけがわからないもの」と形容する、竜頭蛇尾になってしまったところから日本が迷走を始めてしまったようにみえる。 あと、松岡外相の独断的、エキセントリックな性格と、首相がその性格に忖度しているような内閣って、日本にとって残念な時代だったと思う。
読了日:03月31日 著者:川田 稔
MMT 現代貨幣理論とは何か (講談社選書メチエ)MMT 現代貨幣理論とは何か (講談社選書メチエ)感想
MMTの論点が簡潔にまとめられてます。日本では消費税増税前に「反・財務省」的な観点で注目を集めましたが、急速に冷めてしまった感があります。MMTの主張する貨幣の本質は誰もが認めるし、その観点で経済を見つめなおすことは必要だと思います。金融政策の有効性とJGPについては理論ではなく、運用の方法論になってくるのかな?国民性とか、文化とか、その違いで自分たちにふさわしい運用をしていくことが肝なんだろうと思いました。それから、専門家に任せず、だれもが理解することが大切なんだとも思いました。
読了日:03月20日 著者:井上智洋
生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書)生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書)感想
タイトルと目次をざっと見て衝動買い。覚悟はしていたが、怠惰、疲労、自殺、憎悪、衰弱といった章立ては、並べ立てるだけでも危険な香りがするが、読み進むにつれて、ネガティブな思考、感情が自分の中にも見出すことができるようになり、のめり込んだら心を病んでしまいそうになる。しかし、不思議とそんな心を客観的に見つめる自分がいることも感じるようになる。先に読んだ岸見先生と全く正反対の思想だけれども、それゆえに面白い読書だった。ふと、西田幾多郎の「善の研究」を想起したのは「生死」を扱う思想だからだろうか。
読了日:03月16日 著者:大谷 崇
人生は苦である、でも死んではいけない (講談社現代新書)人生は苦である、でも死んではいけない (講談社現代新書)感想
幸福に「なる」のではなく「ある」のだ。幸福について人に話をすることがある。「誰もが幸福になりたいですよね」という。しかし、そのことばは誰もが頷くことを前提としている、という時点でその言葉は全く何もいっていないことと同じなのかもしれない。それでも幸福に「なる」ことをテーマとして話をすすめてきた、ということは自分が話をするということはすでに幸福で「ある」ことになるのかな?禅問答みたいだけど、久しぶりの岸見先生の文章は、生と死と言うものの本質を考えさせ、あぶり出してくれる、軸の通った、生きる勇気を与えてくれる。
読了日:03月11日 著者:岸見 一郎
天皇がいるから日本は一番幸せな国なのです天皇がいるから日本は一番幸せな国なのです感想
令和という改元からすでに半年以上たったが、「昭和」「平成」ほどに意識することができていないのは、単に日が浅いからなのか、時間の問題なのか、それだけでは説明できない「何か」があるように、本書を読んだからなのか、それとも読む前からなのか、そのあたりも漠然としているのだけれど、「日本」のアイデンティティを天皇に求めるのは日本人として自然な、かつ、本質的なものであるだろう。「象徴」としてしまった戦後はそれでもまだましだけれど、「国体」と言うものを見直すとても良い機会になった。
読了日:03月08日 著者:倉山 満
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日感想
Fukushima50の公開を明日に控えての読了。ずっと読みたかったけど、単行本で読みたかったので、Amazonで取り寄せ、2013年初版7刷でした。コロナの影響で座って読める通勤電車で3日で読了。読みながら涙がこみ上げるところがいくつも出てきて、帰ってYoutubeで映画の宣伝映像みてまた涙ぐむ。なんの涙だろう?極限の環境で生き抜く姿、家族との関わり、死を覚悟した姿。吉田所長の宗教的素養を持つエピソードを知って、人知を超える、「運命」あるいは「天命」という言葉がふさわしい、と思った。
読了日:03月05日 著者:門田 隆将
感謝するということ―もう、ひとのせいにしない感謝するということ―もう、ひとのせいにしない感想
生きている命そのものに感謝する。毎日生きている事自体が当たり前でなく、奇跡として感謝する。最初は戸惑うけど、この本にふんだんにでてくる「感謝実験グループ」のメンバーの話は、誰でもできる些細な感謝の実践が、実は大変重要なのだと気がつくようになる。「自己肯定哲学」との違い、を考えるより先に「感謝」なのだ。ごく当たり前だけど、周り見渡せば、感謝を忘れている世界、それは自分の内面そのものでもあるのだ。この歳になってからか、少しずつではあるけど、感謝実践が自分自身そのものになってくるように感ずるときがある。
読了日:03月02日 著者:ノエル・C. ネルソン,ジェニーン・レメーア カラバ
虚像の織田信長 覆された九つの定説虚像の織田信長 覆された九つの定説感想
タイトルに惹かれて読んでみた。七人の執筆者が多くは自分と同じ世代であるところから親近感はあるが、それぞれの項目について信長の研究から明らかにされてきたいわゆる定説を覆す内容がのべられているかと思うと、そうでもない。つまり全体的に見ると、信長の個性といったものがあまり浮き出てこない、といった印象になるのだ。おそらく、信長の個性といったものが、近年の研究によると、「そうでもない」といった論考が続くからだろう。歴史学の手法としては正しいのかもしれないが、信長の魅力を欠く、といったら酷だろうか。
読了日:02月29日 著者:
「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)感想
「3組に1組が離婚」というのは単純なその年の結婚と離婚数の比率であって、自分もそのような報道やデータを単純に信じていたが、実際にはそうでないことがわかったのが一番の収穫かも。自分が知らなかっただけかもしれないけれど、生涯独身率という数字も時間の流れのなかで切り取る数字だから、その数字の大小比較で惑わされてしまう面もあるだろうと思う。家族の幸せ~これを数量的、経済学的観点から見つめてみるのも一つの考えとしてはありかも。
読了日:02月21日 著者:山口 慎太郎
信長の革命と光秀の正義 真説 本能寺 (幻冬舎新書)信長の革命と光秀の正義 真説 本能寺 (幻冬舎新書)感想
戦国時代末期から江戸時代初期、100年にわたり、日本はポルトガルとスペインの世界戦略の文脈で捉えることが必要であると著者の前作で教えられた。キリスト教伝播の裏に当然ながら中国を目指したスペインの世界戦略を考えれば、信長、秀吉の考えていたこと、光秀の行動も紐解けていく。信長の革命性、光秀の正統性など、家康以後に徹底的に消されてしまったであろう歴史的記録が浮かびあがってくるものは、世界の中の日本、を考える上で重要な歴史観だと思う。
読了日:02月20日 著者:安部 龍太郎
昭和陸軍の軌跡 - 永田鉄山の構想とその分岐 (中公新書)昭和陸軍の軌跡 - 永田鉄山の構想とその分岐 (中公新書)感想
昭和陸軍〜永田鉄山の思想から始まる一夕会の系列が、日中戦争〜対米戦争へ至る昭和初期の日本の姿を決定づける。陸軍という組織の軍務局長、作戦部長、といった立場の「ヒト」が日本の国の方向を決定づける。大臣・首相といったリーダーではなく、思想を明確にもった部長格の人間が組織を、国の性格を決める。それ故に、独裁的な性格のない、滅私奉公的な、しかしそれゆえに、海軍や陸軍内でさえ分裂を生み、破滅へと進んでいく組織の姿。リーダーシップのあり方を考えさせられる。
読了日:02月17日 著者:川田 稔
実践 幸福学 科学はいかに「幸せ」を証明するか (NHK出版新書)実践 幸福学 科学はいかに「幸せ」を証明するか (NHK出版新書)感想
「幸福」を数値ではかる、科学で「幸せ」を証明する、というテーマで取り上げられているのは、多くは心理学、社会学、認知療法やマインドフルネス、そして信仰(宗教的価値観)などで取り上げられている論文や研究を網羅して紹介している。節ごとにまとめがあって、わかりやすいし、それだけ読んでも中身は大体つかめる。そのまとめだけ読んでみると、あまり特別なものはなく、「そうだよな」と納得してしまうもの。ただし、話はわかるが、実体はどうかというと、別問題、となってしまうのが人間の性なのかも。
読了日:02月06日 著者:友原 章典
ディープインパクト不況 中国バブル崩壊という巨大隕石が世界経済を直撃する (講談社+α新書)ディープインパクト不況 中国バブル崩壊という巨大隕石が世界経済を直撃する (講談社+α新書)感想
新型肺炎の混乱(だから?)の最中に読むことになったが、もうここ5〜6年は中国はバブルと言われてきたのではなかろうか。国家が国民の幸せのために経済政策によって経済成長をコントロールしようとするのは、中国であれ、米国であれ同じ。中国が一党独裁の政策が、国民を幸せにするものであればそれはいいことではないか。結局はそのためのに秘密主義、自由の制限、官僚主義、批判を許さぬ社会は、どんなに経済発展しても、国民を不幸にする。問題は日本も含め世界中が巻き込まれる現状をどうするか、ということか。
読了日:02月02日 著者:真壁 昭夫
文庫 朝鮮開国と日清戦争 (草思社文庫)文庫 朝鮮開国と日清戦争 (草思社文庫)
読了日:01月31日 著者:渡辺 惣樹
なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか ~アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか ~アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図感想
保守とかリベラルとか、既成政党に「色付け」して対立構図を作り出してきたのは欧米の政治体制の安易な輸入された観点なのかもしれない。その認識からつくりだされたのが著者のいう「ガラパゴス化」した日本の民主主義体制なのだろう。暗号通貨による国家(ネイション)の枠を超えるグローバル化(?)〜それは民族とか、国境の否定につながっていく〜は、まだピンと来ないところもあるが、それは自律する個人をいかに育てるか、にかかっているのか。まず自分自身が自分で考え、行動に責任を持つ姿勢が必要ですね。
読了日:01月24日 著者:渡瀬 裕哉
メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本 (PHP新書)メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本 (PHP新書)感想
最近注目している著者の最新刊。直前に出た「なぜ、成熟した民主主義・・」を読んでいる途中でこちらの方を読み始めたが、両方読んで(また前者は途中であるが)行ったほうが著者のスタンスがよくわかる。トランプ大統領の個性を表面的にとらえ、また「こうありたい」願望で米国とそれに対応する日本の政策は、じつは行き当たりばったりになるばかり。著者の言う分析からくる日本の戦略をもって対外的にも国内的にも取り組む政治が本当に必要な時代になったと思う。アイディンティティ政治による分断から、共通の利害を見出すことが必要。
読了日:01月21日 著者:渡瀬 裕哉
誰も書けなかった日本の経済損失誰も書けなかった日本の経済損失感想
著者のYoutubeの宣伝に載せられて、一気に読んでしまった。Youtubeでおっしゃっていましたが、経済書であると同時にその裏で日本のマスコミ、既得権益、現在の日本の様々な課題が学者や、政治家、専門家が情報を握って利益誘導する時代はもうおわり、ネットを通じて国民一人ひとりが考えていける時代になった、ということを広く知らしめるという点で本書の価値はあると思いました。そして、たしかに2時間とは行かないけれど、サクサク読めることも確かです。好き嫌いを別にして(私は好きですが)読むことは有益だと思います、
読了日:01月18日 著者:上念 司
銀河帝国興亡史4 ファウンデーション 対帝国(CLASSICS OF SCIENCE FICTION)銀河帝国興亡史4 ファウンデーション 対帝国(CLASSICS OF SCIENCE FICTION)感想
ずっと待っていたのだが、11月に刊行されていたことを一昨日ネットで気がついてすぐに購入。お気に入りさんの感想も見つけて、まったくの同感。ミュール登場とファウンデーションの陥落までだが、創元SF文庫で読んだのはもう40年前。それから何度も読み返してはいるけれど、こうして劇画になっても面白さはかわらない、むしろ興味深くなっている。この危機を克服したらいよいよ旧帝国との対決だよね。もっと早く次回巻が刊行されることを希望する。
読了日:01月17日 著者:久間月慧太郎,Seldon Project
自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体 (SB新書)自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体 (SB新書)感想
「自閉症スペクトラム」という概念について、一応の理解はしているつもりだが、どこからそれが「障害」として治療を必要とするものになるのか、その線引はむずかしいと思った。もちろん、支援、と言うかたちで関わることになるのだが、この命名自体が医療者からの目線にたって、なにかしらこの名称をつけることで逆に生きづらさを産んでしまうのではないか、そういう気がする。寛容さ、本当の人の心を理解すること、そういった医療的アプローチ外でなんとかならないものか、と思うようになった。知識ではなく、自分で答えを探してみたい。
読了日:01月15日 著者:本田 秀夫
ルトワックの日本改造論ルトワックの日本改造論感想
「戦争にチャンスを与えよ」で戦争観について、新鮮な、かつ具体的な見方を学んだ。今回はさらに踏み込んだ日本がどのように今の国際情勢の中で、国として、戦略論として何を目指すべきかが明確に語られている。「少子化」について、議論しなくなって初めて問題が解決される、とどこかで読んだけれど、少子化問題は国そのものの存立に関わるものであり、国家戦略そのものであると確かに思う。イスラエルや学ぶべき国の施策はもっとあると思った。
読了日:01月12日 著者:エドワード・ルトワック
アメリカ民主党の崩壊2001-2020アメリカ民主党の崩壊2001-2020感想
読み終えて、「桜を見る会」問題(?)についてふつふつと湧き上がる思い〜野党は「何を」目的として追求しているのか?人数が多すぎて不透明な点もがあるので、次回は取りやめ、運営を見直す〜これでこの問題に対する目的は達成できたのではないか?それ以上の追求は問題を「創り出す」米国民主党の姿と同じく、逆に支持を失ってしまうのではないか。ポリティカル・コレクトネスというキーワードがなにか利権、権力に群がる怪しい言葉になってしまっていることは果たしていいことなのか?これが現実だと認識してよく考えることが必要だ。
読了日:01月07日 著者:渡辺 惣樹
メンタルが強い人がやめた13の習慣 (講談社+α新書)メンタルが強い人がやめた13の習慣 (講談社+α新書)感想
著者自身のエピソードから始まり、とりあげられる13のやめた「習慣」は、メンタルが強い、というよりも、セラピストの実践現場から導き出された内容、ノウハウ集といった感じが強い。ブログから発展した内容らしくうまくまとめられていてエピソードも豊富。人生観、心のあり方に関わり、実践的でもある。
読了日:01月04日 著者:エイミー・モーリン
なぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのかなぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのか感想
Youtubeで知ってこれは読まなきゃ!と思ってすぐに予約、購入。日本人の大多数は「思想」を持つことは特殊な、インテリ、学者、くらいにしか考えていないかもしれない。何度もいうが、中学の社会の先生は、ソ連・北朝鮮を「民主主義」国家だと、教えていた!多くの人は聞きなれないこの思想にどう向き合うのか、日本人ならば深く考えていかないといけない。まずは実体を明らかにしてくれたこの本は貴重。去年はオウム死刑囚についての本だったし、二年連続年初はカルト思想にかかわる読書というのはなんか意味あるかも?
読了日:01月01日 著者:篠原 常一郎,岩田 温

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